tokyo03悪ふざけ公演Frolic A Holic

東京03フロリックアホリック2回目と最終日昼公演観てきました。

作家のオークラさんが手がける東京03と親交の深いおぎやはぎと浜野謙太、それにGENTLE FOREST JAZZ BANDがそれぞれの日替わりゲストと一緒にコントも音楽もプロジェクションマッピングも使う悪ふざけ公演。

僕が見た2回目と最終日のゲストは、2回目がバナナマンももクロ玉井詩織。最終日はザキヤマと飯豊まりえ。

バナナマンのファンとしては当然見たかったんだけど、この公演は昔からバナナマンとユニットコントをしてたおぎやはぎとか東京03が一斉に揃ってコントをする訳だから、そりゃあ是が非でも見に行きたかった。

結論としては「反則」なくらい面白い。

そもそもオークラさんと飯塚さんがネタ書いてる時点で脚本としては当然高額チケットなだけある見応えだけど、キャスト全員化け物。

起爆剤担当小木の邪魔者感。

矢作のゆるゆるの空気感と影で異物を丸め込む統制力。

ハマケンの気色悪さとウザッたさ。

豊本さんの掴めない人柄。

角田さんのペコペコする板挟み状態。

飯塚さんのトゲのある安定感。

それらがGENTLE FOREST JAZZ BANDのただただカッコよくてオシャレな音楽をバックに舞台が転換されてく構成が目まぐるしくて脳みその思考回路次々と破壊してく。

 

以下はネタバレ含むのでDVD発売まで情報入手したくない人は今すぐ手持ちのスマホかパソコンを投げ飛ばすか飲み込んでください。コメント欄に人の発言の揚げ足を取って炎上させるネット民にはなり下がらないでください。

 

まず最初に気になったこと。

舞台が始まると横一列に出演者が全員フライヤーと同じポージングで立ってた。

この始まり方はラーメンズ小林賢太郎が手がけるKAJALLAというコントユニットの舞台と全く同じ。

たまたまの可能性は充分ある気もするけど、昔からコバケンと豊本さんとオークラさんはチョコレイトハンターていうユニットを組んでた交流もあるくらいだから、未だに互いの舞台を見てインスピレーション受けあってるのであればファンとしては嬉しいし、いつかフロリックアホリックにラーメンズ2人揃ってゲスト出演して欲しいと願ってしまう。

 

本編のコントに触れます。

今回フロリックアホリックは2回目の開催に当たるのですが、1回目と明らかに違ったのはオープニング。

前回は東京03が普段通り3人でテーブルの周りに座って世間話をするコントを導入にしてからファンタジー色の強いオークラさんのコントに進んでいく流れだったのが、今回は序盤からオークラ感全開。(※物販の公式パンフにそうなった経緯について書かれています。)

今回のテーマ「何が格好いいのかまだ分からない」という名前の通り、捻くれ屈折童貞メンタルパワー全開でオークラさんの「格好いいってなんだよ!?」て叫びが自然と聞こえてくる。

 

ただこれが単なる妬み嫉みの醜い人間争いみたいにならないのが、流石東京の一流コント集団の凄さというか、品があるな〜と感心しちゃう。

物語上、角田さんは上の立場から威圧されてペコペコしたり、下の立場にも舐められてるような一番格好悪いキャラクターなんだけど、どうにも憎めない。格好いいとは言えないが可愛げがある。そしてキャラクターがよく似合う。

オークラさんの描く脚本は全員がちゃんとダサい要素を含んでる。小木に関しては救いようもない完全な悪としてのキャラクターでも、それでも愛おしく感じてしまうのはまさに小木の魅力です。笑

 

2時間半に及ぶ長時間の舞台なだけに物語の主軸となるストーリーのコントがあるけど、それとは別に途中でいくつか脱線的なコントが挟み込まれていて、これがストーリー上重要なコントに匹敵するというか、それ以上に面白かった。

 

よくコメディ要素の強い演劇(ナカゴーとかハイバイとか玉田企画やヨーロッパ企画がやってるようなやつ)があるけど、このフロリックアホリックは芸人がメインだし当然お笑いライブなのだけど、やってることはこのコメディ演劇に近いと思う。

笑いも取り入れつつストーリー重視の演劇的なコントパートと、ストーリーに軽く触れつつも笑い重視のコントパートが交互になされていくイメージ。

 

結局笑えるものが好きだから思うけど、コメディの最大の強みは現実じゃないもの(劇的)なものを受け入れ易く出来ることだと感じていて、1つフロリックアホリックで例を挙げると、普通の喫茶店という設定に突如時空を超えて未来から革命軍がタイムスリップしてくるコントがある。

日常ではありえないタイムスリップも笑いであれば「なんだってあり」になることに凄いトキメク。

東京03もこの舞台では普段では絶対やらないであろうSFファンタジーのコントに縦横無尽に動き回るし、豊本さん以外の女装が見れるのは貴重。

ジャズバンドの演奏もあることでこのライブ自体が明らかに通常想定してるお笑いライブと異世界の空間だから、現実を忘れるほどのファンタジーでも一切コントの設定として違和感がないし、寧ろ03の日常的な世界プラスアルファで対極の世界が混ざり合ってるのが単純なSFじゃなくて面白い。

 

オークラさんの構成が見事だと思うのがこのファンタジー色の強い脱線的なコントの挟み込み方。

演劇的なパートもお笑い色強いパートも互いに離れてなくてちゃんと、お笑いパートで出てきた要素を振りに使ってメインのストーリーに引き戻す力。

ゴッドタンみたいな台本の想定を軽々超えてくるような企画をいくつも手がけて、その都度どう転がってもいいように準備する用意周到な作業を10年以上やってるからこそなせる技。

だからこの舞台の通常のメンバーに対抗して暴走するゲスト陣を投下できるんだと思う。

 

ここからは2回目ゲストのバナナマン玉井詩織の話。

 

ももクロ玉井詩織は03が主演を務めるhuluのコンテンツ『漫画みたいにいかない』でゲスト出演して一緒にコントをしていたこともあって、今回の舞台に繋がったと予想してるけど、相変わらずいい感じに大人を舐めてそうな見た目と、明るそうだけど、何かの拍子に壊れそうな危うさ。それに頭を使って天然を装ってそうな雰囲気が役柄との相性において超良い。

全公演見てる訳ではないけど、多分女性ゲストの中でも一番ハマリ役だったんじゃないかな。

 

バナナマンに関してはTwitterでも書いたけど、卑怯。ストーリーが終わっても最後の最後まで出演しないし、いつ登場するのかと思ったらエンディングをぶち壊すような演出と共に2人揃っての出演。

設楽さんの赤のジャケットとパンツに身を包んだ華やかな衣装と、その隣にいる下半身をガムテープでぐるぐる巻きにして禿げたズラを被った変態コスチュームのガムテープ太郎。

日本青年館史上一番神聖な舞台を汚す出で立ちだったんじゃないかな。

 

ガムテープ太郎はもともとバナナマンのラジオで生み出されたキャラクターで、節分の日にスタッフ扮する鬼たちが日村さんの服を奪い取り肛門に豆をぶち込むことに対抗する手段として発明された衣装。(要するにガムテープで大事な肛門を守るようにつくられた衣装)

 

ラジオでは当然耳からの情報を頼りに頭で想像してたけど、実際に生で見ると本当に酷いし、めちゃめちゃ面白い。

その日のラジオで舞台裏を話してたけど設楽さんの「ガムテープの下にパンツを履いたら?」という提案に「いや、ここはガムテープだけでいく」って主張した日村さんとすぐに納得する設楽さんコンビ揃ってお笑いに浸りすぎて麻痺してるとしか考えられない。

正直客席からはパンツの存在には気がつかないし、ガムテープが剥がれた時のリスクがデカすぎる。3歳児でもわかるこの理屈が40半ばの大人(しかも一方は朝の顔で良識人のように言われ、コンビでは紅白に出演)に通じないことが現役バリバリの芸人の底意地見た気がしてファンとしてもリスナーとしても大興奮しました。

何年もテレビ出続けて、今年46歳になる芸人で未だに舞台で顔とほぼ全裸の状態で笑いをとる人は日村さんくらいじゃないだろうか。

毎年見た目が面白くなるなんて異常。

 

日村さんに気を取られてたら設楽さんは飯塚さんに目掛けて頭上からツバを吐きつけるし、日村さんからガムテープ剥ぎ取って飯塚さんの口をガムテープで抑えつけて、つっこませることすら許さない暴君っぷり。誰1人マトモな思考をしてない。

 

それまでのコントの流れも知ったこっちゃないって言うかのように、共演者笑わせるためだけのにらめっこ対決を提案するけど、舞台上にハゲのカツラかぶってガムテープぐるぐる巻きにしたほぼ全身肌色の男がいるのにそれ以上面白い見た目になるのは不可能で、全員が本気で嫌がってた。

にらめっこも要はバナナマンがネタでよくやるじゃんけん太郎と構造は全く同じで、にらめっこ対決の前奏が中々終わらずに変顔するタイミングが分からないってボケなんだけど、その都度ガムテープ太郎は永遠と人のネタパクったり、変顔キメ続けてて会場内はバナナマンが何しても笑う無双空間だった。

その後もにらめっこを振っておいて03の変顔に勝手に飽きた設楽さんは我関せずのスタンス貫いてた矢作さんを指名して、舞台袖にハケてた玉井詩織を呼びつけて2人でにらめっこ対決指名する悪どい悪ふざけ(玉井詩織を舞台上に呼んだ設楽さんのさり気ない気遣いとファンサービスが憎い)をして、1人だけニタニタ笑ってるし、完全に東京03の舞台ってことをキャストにすら忘れさせてその場を掌握しきってた。

 

バナナマンが登場してからの20分間はただ笑った記憶がほとんどで詳しい台詞のやり取りとかは一切覚えてない至極の時間だった。

緻密に練ったコントを25年以上続けてきたバナナマンが豪華なコントの舞台においては、仲のいい芸人、アイドル、ミュージシャンを見つけて原始的で単純な見た目の笑いで場を盛り上げていたのがなんかスゲーと思った。

知性的な単独のコントと全員で作るエンターテイメントとしての瞬発的な笑いの使い分け。どちらにせよ笑わせる目的から逃げないのが好きです。

賑やかしとしての役割に徹することを飲み込んだ上で自主的にその場で誰よりも笑いを掻っ攫う気でいつつ、さり気なく他のキャストを引き立てるし、手口の巧妙さと引き出しの多さが恐ろしい。

悪ふざけとしてここまで完成されてるエンターテイメントを他に知らない。

何千人の観客の前でパンツ履かずに大の大人がガムテープで股間ぐるぐる巻きにして立ってみろ。

「何が格好いいのかまだ分からない」と言いつつあの舞台に関わってた人たち全員が格好いいです。マイヒーローたち。

 

"アイアムアイアムこの町のブーリー♪アイアムアイアムアイムジャイアン♪"

 

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