俺のドリブルが止められるかな?

千秋楽終えたようなので、感想をつらつら。

 

5月某日。

草月ホールバカリズムライブ「ドラマチック」鑑賞。

今回はライブに加えて土曜日の2回目公演が初のライブビューイングを実施されていたので、厳密には初日公演と4回目公演をライブビューイングで見た。

 

どうしても月並みな言葉になるけど、

バカリズム、天才かよ」!!!

 

流石IPPONグランプリの絶対チャンであり、『架空OL日記』ではギャラクシー賞に加えて脚本家として向田邦子賞を受賞。さらに、性欲のオールナイトニッポンのパーソナリティを務めていたバカリズム

 

毎年毎年どこまで突き抜ければ気が済むんだろ。

幕間のVTR含め全ネタが素晴らしい上に、バカリズムさん的に言うと新しいお笑いの方程式を作り上げてるから語りつくせないのだけど、今回のライブに関してはお笑い通でもなんでもない、ただのバカリズムさんのファンとして気になることがあったライブでした。

 

※以下、オチに触れはしないものの、コントの設定等でネタバレに触れますのでDVDまで情報入れたくない人は読まないでください❗️

 

今回のライブの個人的最大の違和感は、バカリズムさん本人がメインビジュアルのライブのフライヤーでした。

というのも、バカリズムさんは自分のライブのこだわりとして「ダサイと思われたくないから、ライブのフライヤーに自分の顔写真を一切使ったことがない」と話していたことがちゃんと記憶にあったから。

補足すると、バカリズムさん自身が顔をメインビジュアルにしたくないのは「パッケージがダサイと思われると、ライブのDVDを発売した時に売行きがライブの内容と比例しないことがある」からであって、オシャレを追求してるというのではなく、ダサく見えることに関して避けてると言うのが本音なんだと思ってます。

 

しかし今回のライブフライヤーはかつての話とは明らかに矛盾したデザインだったので、正直ツイッターバカリズムさんがこのデザインを発表した時は拍子抜けしました。

 

でもそんな違和感はこのライブを見た直後から消え失せて、今回に関してはこのデザインじゃなきゃいけない理由がわかった気がします。

 

このライブを見ている限りバカリズムさんが一番やりたかったのは、「いかに日常をドラマチック紛いに見せることができるか(もしくは非日常をドラマチックにできないか)」だったように予想してます。

この場合の「日常」は、いわゆる私たちが「朝起きて、ご飯を食べて、歯を磨いて、学校(仕事)に行く」みたいな典型的な誰にでも経験のある「日常」

「非日常」は、コントやドラマの定番シーン(「探偵が犯人を暴く」とか「銀行強盗が入ってくる」etc)みたいなこと。

 

そしてこのライブのオープニングとラストはまさに前者「日常をドラマチックに描く」コントでした。

そしてバカリズムさんは、このコントの「日常」を表現するために、コントで別の誰かの役を演じるのではなく自分自身でバカリズムを演じる方法を選択した点が度肝を抜かれました。

 

以前もライブのオープニングとか番外編のバカリズム案などではコントの中でバカリズムとして立ち振る舞うネタもあったものの、最後のネタで再び自分自身を演じるコントは僕の知る限り初めてだったと思います。(違ったらすいません)

 

設定としては、現在進行形で草月ホールという場所でライブをしている芸人バカリズムが、幕間で舞台裏にハケると、そこで脚本家バカリズムが脳内で作り上げた架空のドラマチックな出来事に巻き込まれるという現実と虚構が入り混じったコントです。

 

ライブで新ネタを披露してるバカリズムと、パラレルワールドのライブ舞台裏のバカリズムが混ざり合ったという言い方が適切かもしれない。

 

ネタの内容に関してはDVDを見てくださいと言うしかないのだけれど、つまり今回のライブはバカリズムさんが自分自身の日常をドラマ(チック)化するコントだった為、ライブのコンセプトをビジュアルで表現する結果として、今回のフライヤーはそれまでの抽象度の高いビジュアルではなく、自分自身の顔写真をメインビジュアルに押し出したのではないか?

というのが、あくまでただのバカリズムファンである僕の予想です。

 

にしても、これまで手がけたドラマで、あくまでドラマチックな要素を排除して極めてリアルな会話を緻密に取り入れた脚本家として評価されてるバカリズムさんが本職のコントで「ドラマチック」をタイトルにして、ドラマチックな非日常を茶化す構造がスタイリッシュの極み。

芸人としてだけじゃなくて脚本家としてのキャリアの功績があって初めて成り立つ壮大なコント。コレを他の芸人がやったら、ライブの意味自体が変わってしまうよなー。

コレはもう、、唸ります。。。

 

ネタとして分かりやすくて且つちゃんと面白い上に、コアなお笑いのファンが共感できるような3本目の『NANDEYANEN』のネタも面白いけど、個人的に今回のネタとしては矢張りラスネタ、それと4本目の『銀行弱盗』が抜きん出て凄かったな〜〜!意表を突かれるというか、そもそもまだ既存のオーソドックスな設定で開拓領域があったんだな〜って痺れた。

 

ちなみにこの『銀行弱盗』に関しては、初日と4回目公演でラストのオチそのものが変わってたことに衝撃を受けたし、ネタに直接関わりはないものの衣装についても徹底して拘ってるのが分かるから語り甲斐がありすぎるのだけど、どうしてもオチに関するネタバレを避けて通れないので、DVD出るまで我慢します。

 

ただ今回初めて2回見て思ったけど、バカリズムさんはライブの中で凄い至近距離で観客とネタで意思疎通を図ってる人なんだなっていうのが分かった気がしてる。

4本目のネタのオチが初日と4回目ではオチのクオリティそのものは変わらないものの、観客の反応(伝わりやすさ)が圧倒的に違ってた。

 

バナナマンがよくバカリズムさんのことをタスマニアデビルって茶化して、「未だにギンギンに尖ってる」って言ってるのは確かに凄い共感できるけど、最近の活動についてオークラさんがバカリズムさんのことを「調整できるようになってきた」て語ってるように、ネタの面白さ(クオリティ)は変えずとも、観客に対して分かりやすさを与えることに敏感なんだなって今回のライブを再見して実感した。

 

バカリズムさんは芸人の中で実力が1人飛び抜けて違うと思うし、事実そうなんだろう。

正直バカリズムさんを始め、バナナマンにしろ東京03にしろ、自分がファンというのも差し引いても、一度彼らのコントを見たら他の人のネタは見れなくなるくらいの濃さが含まれてる。

色んな芸人さんのネタを見て回りたい気持ちもあるけど、最早それだけでは満たされない体に改造されてしまってるから、年に一度の単独ライブに賭けて、しばらく放心状態になるのが心地良い。

芸人を美化するとキモいけど、発想が飛び抜けてる人は問答無用で大好きです。

一生付いてきますと思った。

 

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