たったさっきから完結までの話

7月22日、チャットモンチーが完結しました。

 

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6月1日(金)Mステ。

新曲「たったさっきから3000年までの話」「シャングリラ」のメドレー。

途中差し込まれた高校生のダンス踊ってる映像に辟易して、そんなのやるくらいなら「シャングリラ」をフルで歌わせてくれよとかドラムセットに座ったOKAMOTO'Sのレイジが一見誰が誰だかさっぱり分からず「なんだこの出たがりは!」とか少し思いつつ、新曲の「たったさっきから3000年までの話」は打ちこみで一切ギターを鳴らさないスタイルに「うわ、また突き放された」と一瞬どういう対応するかテレビの前でキョドッた。

散々事前の煽りVTRでギター鳴らしてたくせに、打ちこみの姿をファン以外(そもそもファンでさえ多くが打ちこみスタイルに関しては初体験)の視聴者が大半のテレビで初披露する度胸とリスナーの突き放し方に進化を見て、コレで完結する実感が全く湧かなかった。

終わるにしては余りに実験が過ぎるし、そしてその実験の結果も良いと認めざるを得ない。

次々と3人体制から2人体制、サポート体制、そしてメカットモンチーと変身を続けるたびにベストを更新してるから、野暮なことは承知でまだ続けてくれなんて思ってた。

 

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6月1日(金)宮藤官九郎のANNG

 Mステ終わり直後に放送された910ANNGのゲスト出演。

チャットモンチーと一緒に作詞講座と題打って「キラキラ映画のテーマソングにありそうな歌詞」を募集。

急遽出演をTwitterで知った僕は一度も投稿したことのない作詞講座のコーナーに関わらずやたらめったらに大量投稿。

普段の芸人の深夜ラジオに投稿してる時とは打って変わって大真面目な文章。

人を罵る文章や頭をバカにして書きなぐる奇文と頭の使い方が違いすぎて終始よく分からずに文章をフリック入力したら、生まれてチャットモンチーの2人に名前を読んでもらえた上に正式に歌詞として採用してもらうサービスを味わって久しぶりに投稿の魅力にどっぷり浸かった。

さっきまで日本国民の大半が知る恐らく一番知名度の高いであろう音楽番組でトリを務めてた大好きなアーティストに名前を連続して呼ばれるのはラジオの密室じゃないと不可能であって、一方通行のコミュニケーションで遠い世界(事実そうなんだけど)のテレビの住人と突然コミュニケーション手段を得て双方向性の会話ができてしまうラジオとの距離感に戸惑った。

 

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6月25日(月)チャットモンチー「誕生会」ラストライブハウス@Shibuya WWWX

 

最期のアルバム「誕生」のリリースに先駆けて行われたリリースイベント「誕生会」。

「びろうど」を除く「誕生」収録曲を演奏。

ライブハウスのリリースイベントということもありかなりアットホームな環境。

ロッキン以来の出演(本当はコヤブソニックがある)であり、かなり客前での演奏が久しぶりというえっちゃんの体感時間の流れ方に対する「なに、私はみんなと時間の流れが違いますみたいな態度」というあっこのツッコミはとても切れてて滅茶苦茶笑った。

そんな終始和やかな雰囲気だったからか、普段はMCでも然程語らない2人がいつも以上に饒舌に(恐らくリリースに先駆けて各メディアでインタビューを受けたことも影響してたのだろうけど)暴露話とも取れるエピソードトークをしていたのは貴重な時間だった。(テレビが本当に嫌!/デビュー当時尖り散らしててまともに「ありがとうございます」を言ってなかったetc)

いつも以上に饒舌に言葉で語ろうとする姿が余計に途中えっちゃんが漏らした「こんな機会もあと少ないと思うとね・・・」というどうしようもない現実がチラついて、少しでも寂しさのギアを入れたら楽しい空間がオセロみたいにひっくり返ってしまいそうな危うさと戦いながら至近距離で彼女たちの言葉を拾い漁った。

そんな雰囲気の中でえっちゃんが「くみこんが書いてくれた曲をやります」と言って「砂鉄」を歌った瞬間にはライブハウス特有の集中力が一点に集まって静かな爆発が起こる気配を感じた。

MCの時の親しみやすい方言と舌足らずな声とは違う重量感溢れる演奏とのギャップには一生慣れることなく片思いする。

先日のNHKのラジオで「簡単に一緒に演奏出来るような生半可な覚悟でバンドやめてない」という高橋久美子の発言があったが、そんな彼女がチャットモンチーという昔時間を過ごしたホームに作詞家として歌詞を提供して、それにチャットモンチーとしてホームを高橋久美子の脱退後も豊かにしてきた橋本絵莉子がメロディをつけるという理想的な再会が曲として反映されているのには涙無くしては聴けなかった。

シークレットゲストのBase Ball Bear小出祐介との同期のトークの後に「恋の煙(同期ver)」を披露して終演。

ステージをはける時えっちゃんが言った「またね」があと何回聞けるのかと思うと嬉しさの中にしんみりした気持ちが洗濯機に入れた服みたいに、何もかもぐるんぐるん混ざり合った。

 

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7月4日(水)チャットモンチーLAST ONE-MAN LIVE @日本武道館

 

第1幕は「びろうど」を除く「誕生」収録曲にアコースティックで奏でる「惚たる蛍」、福岡晃子がドラマを叩く「染まるよ」を加えた構成。後者の二曲も共に武道館のためにアレンジされて披露されており、「デビューした頃の曲やるね」とは言ったもののチャットモンチーは完結を決めた現在も過去と同じスタイルに固執することなく新しい可能性を徹底して追求していた。その態度に反映された「染まるよ」の福岡のドラムは鬼気迫る迫力があり、切ない情緒的な歌詞とそれまでライブで披露されてきた演奏とは明らかに切り離されたようなある意味怒り狂ってるようにさえ見える叩き方にはその日、一番度肝を抜かれた。

 

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幕間にはこれまでの軌跡を辿ったヒステリー映像が「ツマサキ」「雲走る」「草原に立つ二本の木のように」「満月に吠えろ」「歩くオブジェ」のBGMと共に紹介された。

メンバーの舞台裏の様子は今も昔も部活動の延長線上にあるような美しさがある。

高橋久美子の脱退もチャットモンチーの完結でさえも彼女たちの関係性そのものには何も影響を与えないし、チャットモンチーを辞めることはあくまでも音楽に向き合ってのみの潔い決断であることが心強い。

僕がチャットモンチーをどうしても青春と感じてしまうのは、自分が学生時代に貪欲に吸収したとか、青春っぽい内容の歌詞に共鳴するからというよりも彼女たちの関係性には部活動的な堅苦しい義務感を連帯で背負ってる熱意によって成り立つ部分に惹かれるからだとようやく気がついた。

 

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第二幕。指揮棒を振りかざす福岡晃子の合図にチャットモンチーアンサンブル(橋本絵莉子命名)のmajority bluseの演奏が始まる。

その後「ウィークエンドのまぼろし」からの西加奈子作詞の「例えば、」をえっちゃんのアコギで一緒に聴けたのはかなり意外(ラストのワンマンライブでチャットモンチー以外の人の作詞曲が聴けるとは思ってなかった)と同時に単純にこの曲のファンとして嬉しかった。

更にこのストリング・アレンジをしたのが乙女団の世武裕子だと明かされてカメラで抜かれた上に、新たなドラムセットに男陣のメンバーであり、ハイスタの恒岡章がサポートドラムで登場して、「東京ハチミツオーケストラ」をチャットモンチーアンサンブルと一緒に演奏した瞬間、徳島の田舎から出てきて東京の忙しない街並みに圧倒されながらも、簡単に帰れない覚悟を決めたであろう当時のチャットモンチーと、最後の武道館ライブでのスケールのデカすぎる演出との差を想像したら目眩がした。

最後のワンマンライブ と言いながらも過去にチャットモンチーとして関わったアーティストや詩人(小説家)の存在を浮き上がらせつつ、更に新たなバンド形態として過去のヒストリーに単に固執することなく今現在の武道館仕様のアレンジを加えて見せてくれた。

その後の「さよならGood bye」「どなる、でんわ、どしゃぶり」「Last Love Letter」「真夜中遊園地」(全て3ピースバンド時代の曲)はチャットモンチー恒岡章の3人編成で演奏された。最後を感じさせるタイトルの曲が多く演奏されたことからも、この武道館のライブが事実上彼女たちにとって観客との別れの挨拶となる舞台であることが予告されていた。

そして二幕のラストで演奏された「ハナノユメ」では再びチャットモンチーアンサンブルが加わって披露され、観客とのコール&レスポンスによってチャットモンチーとしての最新形態が完成した。


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アンコールで演奏されたのは高橋久美子作詞の名曲「シャングリラ」「風吹けば恋」「サラバ青春」。

武道館ではくみこんのドラム姿を再び見ることは叶わなかったが、恒岡章の完璧な高橋久美子のドラムアレンジのコピー(後日のNHKラジオに出演した高橋久美子によると、恒岡章は「高橋のドラムアレンジが気に入ったから完コピした」と言っていたらしい←泣ける)とワンマンライブの結びを高橋久美子の曲で締めたことはえっちゃんとあっこなりの観客へのアンサーに思えた。

「シャングリラ」のサビの手前加えられた

 

〈なっが〜〜い、なが〜〜い、なっが〜い、ながーーい、なが〜〜〜〜い目で見てよ〉

 

というアレンジはファンとして、いつかもしかしたら再び2人でやってくれるんじゃないかと深読みしてしまうような呼びかけに聴こえた。

「風吹けば恋」はチャットモンチーの好きな曲ベスト3に入るほど好きなので、言わずもがなこの曲を聴けただけで満足できるだけの感動したし、ライブも1日を通して盛り上がりが最高潮に達する。

「風吹けば恋」を終えて恒岡章が舞台袖にハケるとチャットモンチーはステージの前方に腰掛けて最後の MC。

「ずっとなんか変な感じ」と1幕の MCで語っていたが、この最後の MCでその「なんか変な感じ」の正体が少し具体的に見えた気がした。

メンバーを含めまだ誰もしっかりとした実感のなかったチャットモンチーの完結という事実が確実に近づいていることが現実味を帯びて襲ってきたこと。そして皮肉にも完結があるからこそ、「誕生」での打ち込みスタイルに留まらず、この武道館で挑戦した素晴らしいまでの新たなパフォーマンスが生まれたこと。

チャットモンチーは自分たちにもファンに対しても依存することなく常にそれまでのスタイルを突き放して捨てることで変身が誕生してきた事実。

そして彼女たちの技術が巧みであるが故に早すぎるペースで挑戦領域が彼女たちにとって狭まっていってしまったこと。

完結するためにそれまでは否定的ですらあったストリングススタイルにも挑戦することで、完結のために意図したこともそうでないことも含めて「やりきる」覚悟を目の当たりにした。

以前アルバム「告白」のツアーの記録をまとめた「3人の居所」ではツアー中の観客の反応を見て、ファンはバンドを写す鏡というけど、親しみを持たれすぎるのか何でもかんでもはしゃいでいる姿が目立つ。それは多分自分たちに問題があって今後鏡を磨いていかなきゃいけないというようなことをインタビューで答えていた。

当時はチャットモンチーが自虐で言う通り「尖り散らしてた」こともあるのだろうけど、この日に武道館でファンから送られた声援にえっちゃんが「チャットのファンは面白くて優しい人が多いな。ファンはバンドを写す鏡ってゆうやん。だからそういうことなんかなって思って」と答え、あっこが「鏡っていうだけあって、よくここまでついて来たな〜。みんな根性あるわ」と呼びかけた姿には、会場にいた人全てが肯定的な感謝に感激し、涙を流してた。

「最後の曲、歌えなくなってしまうかもしれんからみんな一緒に歌ってな。歌詞は(モニターに)出すから」とユーモア交えつつ「サラバ青春」が福岡のピアノ伴奏で始まった。

〈思い出なんていらないって つっぱってみたけれど、いつだって過去には勝てやしない、あの頃が大好きで、思い出し笑いも大好きで〉

の歌詞を武道館全員で涙チョチョ切れながら歌った。

チャットモンチーはデビュー当初からこの名曲によって、過去の姿には勝てないという誰もが隠し通す痛々しい現実を歌っていた凄さと彼女たち自身も事実「チャットモンチー」の名前に苦められることを予見していた皮肉と、そして名前を一旦おろすことで遂に過去から解放されることを祝福したい気持ちが募りすぎて「一緒に歌ってな」という要望にもうまく応えられないまま、啜り泣きながら下手くそな歌を歌った。

最後にみんなで歌い終えて再び舞台でチャットモンチーがお互いに手を繋いで360度観客の方向を向いてお辞儀する姿は美しくて微笑ましかった。


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7月21日(土)/22日(日)チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2018〜みな、おいでなしてよ!〜@アスティとくしま

 

朝4時に起床して徳島駅に着いたのは11時50分。初めてたどり着いた四国・徳島駅チャットモンチーのTシャツを着た人で溢れていて、駅から会場までのタクシーでは運転手のおじさんには何も言わずとも「チャットモンチー見に来たん?」て声かけられて、地元とはいえ此処までチャットモンチーが共通言語となっている格好良さに誇らしく思った。

 

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 MCはチャットモンチー大阪支部のドラマーコヤビンこと小籔千豊


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1組目はチャットモンチーの同じ事務所で且つ同年代のシュノーケル。

活動休止の後に復活してこなそんフェスに出演。チャットモンチーもシュノーケルみたいにならないかな〜〜とか武道館で完結を納得したはずなのに今だに野暮な考えが頭に浮かんだ。


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2組目のyonigeは初めて見たけど、本人たちは僕と年齢が近い20代前半で、チャットモンチーの養分を学生時代に吸収して育ったと語っていて、同世代で会場にいた観客を「マイメンやな」と呼んでたのが親しめた。

 

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3組目は初の芸人枠で野性爆弾ガリットチュウ福島。

フェスに芸人枠として一番にこの面子をぶつけるのはチャットモンチー頭おかしいと思ってたけど、流石くっきー。フェス関係なしに通常運転というか暴走運転。

ずっと自分で舐めた指を福島の口の中に差し込む奇行は放送禁止用語で表現するのが一番適切。


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4組目はチャットモンチーの同期Base Ball Bear。僕はベボベは全く通ってないからよく知らないのだけど、小出祐介が「こなそん前日まで、電車に乗りながら明日どう(いう気持ちに)なるのかなーて思って結局ずっとわかんないまま、今日会場に来たらそういうことじゃないと思って。出演者にチャットモンチーからメッセージが書かれた紙があって『泣かないで』て書いてあったので、これで泣いたらこんなにみっともない事無いなと思います。」と話したエピソードはなんとも同期らしい考え方だと思ったし、「誕生会」にゲスト出演したときに「下北沢で泥水啜って下積みしてたのにチャットモンチーは田舎から出てきてチヤホヤされてるのが気に食わなかった」と皮肉たっぷりに話していたのを知ってるから、グッとくるものがあった。

そして小出祐介が MCで言った「今3ピースバンドがやっと板に付いて楽しくなってきたので、続けることに意味があるなと思いました。だから元スリーピースバンドの先輩のチャットモンチーに俺たちは絶対に辞めねーからなという気持ちを込めてデビュー曲と3人になっても続けることを決めた曲を2曲続けてやります」と言ったのはその日一番の名 MCだったと思う。


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5組目。南海キャンディーズ

番組を共演したことをきっかけに静ちゃんと仲良くなったという福岡晃子から控え室に静ちゃんとの仲睦まじいメッセージが書かれた紙が置いてたことに対して、そのことを何も知らない山ちゃんが困惑。フェスで売られていたすだちも喉を通らないとラサール石井が言うところの一つも外さないツッコミが冴え渡っていた。

前回の芸人枠のくっきーがどうかしすぎていたので南海キャンディーズはかなり安心して周りの観客も楽しんでいたのだが、漫才でテラスハウスのネタを披露した時に山ちゃんのテラハ住人への妬み嫉みの悪口だけはハッキリと笑う人とそうでなく嫌悪感を抱く人で分かれていた光景が僕は一番面白いと思った。


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6組目。初日前半ラストEGO-WRAPPIN'

前にもEGO-WRAPPIN'は見たことがあるけど、いつ見ても新鮮に思うのはエロいな〜。

滅茶苦茶格好いいし、デビュー以来チャットモンチーを長く知ってる2人が「今日はチャットモンチーが主役なんで、私たちはあっためさせてもらって帰ります」と呟いていたのだが、それでも新曲をぶつけて来る挑戦的な態度にまたエロさを感じた。


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休憩後。

7組目。奥田民生

ステージにフラフラっとやって来るだけなのに様になるおじさん。

 MCでもずっと変な声で喋って「こんなことやってると業界の人に怒られるけど今日はこの声でやります」とユーモア含めてイケてるおっさん。


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8組目。ミキ。

この日芸人枠で圧倒的にウケてたな〜。滅茶苦茶おもしろいもんねー。

漫才はお兄ちゃんの結婚ネタ(僕は初見)だったけど、かなりネタの構成がしっかりしてるのにも関わらず、途中観客も交えてアドリブを加えながら会場盛り上げるのは流石だ。

普段の漫才の舞台とは明らかに異なるフェス独特の(お笑いの人にとっては)やり難いであろうある種、観客が調子に乗ってるムードの中での煽り方まで心得ていて、そりゃ売れるわと思わざるを得ない。


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9組目。チャットモンチーセミ完結)。

武道館みたいな派手な演出もなく、ゆる〜く舞台にやってきて一通りフェスの感想を言った後にFM徳島のジングルの2番を新たに書き下ろした数十秒のチャットモンチーの新曲「きっきょん」が聴けたのは嬉しいサプライズ。

その後はサポートドラマーに「好きな食べ物」「 生まれ変わりたい動物」「その動物になったらどうするか」「転職するなら?」というアンケートをとった紹介文が読まれて1人目のサポートドラマーとしてMCのコヤビン(小籔千豊)がドラムセットに登場。

「風吹けば恋」と「真夜中遊園地」を2曲演奏した後に「ホンマに今日は最低の日ですわ。もうここ(ドラムセット)から2人を見れない。えっちゃんさんのたまにこっち振り向いて『いけてるやん』みたいに眉毛をくっと動かすのとか、あっこちゃんさんのくるぶしとかもう見れへんのやと思うとホンマ最低の日ですわ。あ、お客さんはそのまま盛り上がっていただいていいんです。でもホンマに最低の日やと思います」と言う芸人らしい冗談と赤裸々すぎる嘘のない告白には誰もが共感したのではないか。

 

ドラムセットから記念写真を(職業:モデルとして)撮ったあと、続いてのサポートドラマーとして酔っ払った奥田民生がドラムセットに乗ってスタッフに押されるがまま登場する落語家的な演出はとても良かった。(←舞台袖で登場の仕方をどうするのかでハプニングが起きた結果らしい)

かなり待ち時間にお酒を飲んだらしく酔っ払っていたものの、後輩のチャットモンチーに「民ちゃん」と呼ばせる懐の大きさや、サポートドラマー紹介文アンケートの「好きな食べ物は」に対する奥田の一般的でない回答へのチャットモンチーの下手くそな気配りに「俺が好きなだけだから、そういう変な気配りすんな」とツッコミを入れたのは流石。チャットモンチーの「いい酔い方する人やな」の感想には大共感。

一度奥田民生チャットモンチーの「シャングリラ」と同じドラムキックを悪ノリで始めて「コレはやらないよ」と言った時、少しだけしんみりしたけど、後の一番のサプライズを見たときに民ちゃんのフライング的なドラムキックが「(俺は)やらないよ」という意味に捉えられて、ミュージシャンとしては勿論だが、同時に超優秀なライブ演出家だと思った。

FM徳島のジングルに続き、徳島の地元のCMに流れる地元ゆかりの曲として「阿波のたぬき祭りのCMソング」を披露すると、奥田民生のプロデュース楽曲「コンビニエンスハネムーン」を奥田民生自身のドラムで演奏。

この時プロデュースについて「俺は楽器を貸しただけ」と言ったのも粋だなと感じたし、ドラムセットに「チャットモンチーの」と書かれたステッカーを貼っていたのも嬉しかった。(←本当は「チャットモンチーの民ちゃん」というステッカーを貼りたかったらしい)

コンビニエンスハネムーン」を終えて袖に戻る時も先程同様スタッフの息のあったチームワークで民ちゃんをドラムセットに乗せたままステージ袖に運んでいく過程がとてもユニークで、民ちゃんもハケ終わるまでドラムを叩き続けていたのが素敵だった。

 

次に呼ばれたサポートドラマーはシュノーケルの山田雅人。デビュー曲の「ハナノユメ」でえっちゃんが「一緒に歌って」と呼びかけてくれたので、武道館では泣きすぎてまともに歌えなかったリベンジが叶えられて良かった。

 

その後はBase Ball Bear堀之内大介がスタッフに扮して舞台上にドラムセットを運ぶボケを演出し、サポートドラマー紹介文アンケートでは「なりたい動物なんやと思う?」とあっこからの出題に対してえっちゃんが「ゴリラ」と言ったのは完全に見た目を弄っていて、同期ならではの関係性に沢山笑った。

堀之内のリクエストで演奏されたのは「恋の煙」。小出祐介も「誕生」の配信限定でチャットモンチーと「恋の煙」を歌っていたことだし、どうやらベボベメンバーは「恋の煙」に縁があるのかもしれない。

 

一通りその日出演アーティストのサポートドラマーと演奏し終えると、10年以上前に同期のチャットモンチーとシュノーケルとBase Ball Bearで「若若男女」という対バンツアーで全国を回っていた話になり、久しぶりに当時のバンドが揃ったことから若若男女が一斉にステージに上がった。

当時の思い出話として福岡晃子小出祐介について「一番誰とも話したりしないくせに、ツアーが終わる頃には一番名残惜しそうにしてた」とネタにして、小出は「徳島の田舎からやって来やがったチャットモンチーなんかに負けるかと尖っていたから」と発言して、チャットモンチーから「ここ徳島やから!」と秀逸な訂正が加えられて、小出祐介も慌てつつ「東京から来ました!」と見事な切り返しを見せてくれた。

チャットモンチーの「田舎の人イジメないで!」というやり取りは永遠に聞いていたい微笑ましさがありつつも、小出の「徳島いいところだと思いましたよ。同期の地元だし、こんな国宝級のバンドを生んだ場所ですから」というエールには思わずグッときた。

感動的なことを言いつつも再び小出は「今日のあっこ MC調子いいね。武道館なんにも言わなかったのに」と武道館での MCを弄って、それについて福岡が「だって(武道館で)何も言うことないんやもん!」と話していると普段は何にも MCで喋らずに13年貫いてきたえっちゃんが「もう準備できたみたい」と一番冷静に仕切り直す光景には笑ったし、この楽しげな光景が見れただけでも徳島に来てよかったと満足できたし、それまで拭えなかった喪失感も楽しい思い出へと上書き保存が成功できた。

そして小出祐介が「10年前は余った人は踊ってたんだけど今日は全員で演奏します。これはもう青春の曲と言ってもいいですかね?」と尋ねて、えっちゃんが「いいです」と返答すると若若男女による「今夜はブギーバック」が演奏され、メンバーそれぞれのソロ演奏と橋本絵莉子ひとりの声が披露されてただ楽しい時間が創出された。

時間的に(大切なイベントでも時間を気にしてしまうのは僕の悪い癖なのだが)もうこの盛り上がりで僕のチャットモンチーは終わり(1日目のチケットしかなかった)かと腹を括っていた時、福岡晃子が「ちょっと待って!」と呼び止めて、「こなそんと言ってるのにアレ聴かないで帰れないよね?」と観客を煽ると更に小出祐介が「懐かしい友達来てるから、折角だし呼んでもいい?」と一度ステージにハケると、ステージ袖で泣きながら眺めていた高橋久美子を連れて戻ってきた。

その瞬間の歓喜のどよめきは僕の21年間の人生でも恐らく一番すごい感動が秘められていた。

小出祐介の「久美子、チャットモンチーはやめたけど、若若男女はやめてないよね?」という一声とくみこんの「やめてない!」という力強い言葉はチャットモンチーが完結して数日経った今でも脳内をしつこくあの時の光景とともに反芻される。

観客もえっちゃんも泣いていたけど、それは武道館の時とは明らかに違う類の感動の涙で、小出の「おじさんのドラムキックはもういいから、久美子のドラムキックが聴きたいよ」からの「シャングリラ」のあの優しくて軽やかなくみこんのドラムキックが会場に浸透していく感動を視覚と聴覚を駆使して脳裏に焼きつけた。

最後に高橋久美子のドラムキックと福岡晃子の力強いベースと橋本絵莉子のしなやかな歌声がセンターに集って巨大なモニターに3人だけが映される映像はその時間この世にいたどの3人よりも格好よくて画になる美しさがあった。

 

〈希望の光なんてなくったっていいじゃないか〉

 

個人的な話をするのは苦手で気色悪いけどチャットモンチーはこなそんフェスのその場にいた人たちにとっては確実に希望の光を思わせる存在だったことが一度や二度はあると思うのだが、そんな誰かにとっては希望の光に十分なりえる彼女たちが〈希望の光なんてなくったっていいじゃないか〉というのはチャットモンチーが最後までファンを信頼して突き放す一言で完結するのに相応しい切実な歌詞と演奏が込められていた。

演奏を終えて、それぞれのバンドが挨拶する中最後にあの3人が真ん中に揃って「チャットモンチー!」と紹介される瞬間のアベンジャーズ感は感無量。あんなに心強い女性3人衆はきっとこの先見ることは出来ないだろうと思うだけの凄さが詰まってました。

僕は意気地ナイから1日目のセミ完結を見届けて楽しい思いのまま帰って、このブログやら他のSNSで駄文を書き連ねることしか出来ませんが、本当に偉大な13年間をありがとうございます。

もう野暮な考えは捨て去りましたが、それでもまた武道館で歌ってた通り、長っ〜〜い目で見て応援します。

Forever my Chatmonchy.

 

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